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人工呼吸ケアの気道管理とは

道又元裕
元杏林大学医学部付属病院 看護部長

気道管理とは

人工呼吸器を使用した呼吸管理は、重症患者や自発呼吸の困難な患者にとって生命維持のために不可欠です。気管チューブや気管切開チューブなどの人工気道を用いた呼吸管理では、空気の通り道である「気道」を確保し、通気が保たれるようにする気道管理が不可欠です。
不適切な気道管理は、低酸素血症や高二酸化炭素血症、さらには致命的な気道閉塞、人工呼吸器関連肺炎(VAP:ventilator-associated pneumonia)などの重篤な合併症を招くことがあります。

人工呼吸中の気道管理

人工呼吸中の気道管理は、次のようなケアがあります。

  1. 気管チューブの管理
    チューブの適切な位置管理
    チューブ固定
    カフ圧管理
  2. 気道分泌物管理
    気管吸引
  3. 気道の加温加湿
  4. 口腔ケア
  5. 体位調整

1.気管チューブの管理

気管チューブの適切な位置管理

人工呼吸器管理中は、気管チューブが正しい位置に留置されているかを定期的に観察することが必要です。気管チューブが深すぎると片側肺換気になり、浅すぎると気管チューブ抜去のリスクが高まります。気管チューブの留置後や体位調整、ケアの前後には、適切な位置であるかを確認します。

適切な位置の確認方法

①気管チューブ挿入長の確認
  • 口唇(または鼻孔)と気管チューブの目盛りをチェックします。
  • 成人で一般的な目安は、経口挿管は21~24cm、経鼻挿管は25~28cm程度ですが、患者ごとに異なるため、挿入時に記録した長さと毎回比較します。
②呼吸音と胸郭の挙上の左右差の確認(図1)
  • 目視で胸郭が挙上しているか、左右差が無いか、呼吸音が左右肺野とも聴診できるか確認します。
③胸部X線画像の確認(図2)
  • 胸部X線で、気管分岐部より2~3cm上に位置しているか確認します。

気管チューブ固定

気管チューブの固定には、テープによる固定が一般的ですが、粘着力の強いテープは顔に皮膚障害を起こしやすいため、近年はハイドロコロイド材を使用した固定器具(図3)での固定が増えています。

カフ圧管理

気管チューブの先端にはカフ(バルーン)がついており、気管とチューブの隙間を塞いでいます。これにより、人工呼吸器から送り込まれるガスが漏れることなく、換気量を維持できます。
カフは、適切な圧(20~30cmH₂O)で維持する必要があります。カフ圧が高すぎると気道粘膜への血流障害を起こし潰瘍や狭窄の原因に、低すぎるとエアリークや誤嚥のリスクが増大します。
カフを適正圧に維持するために、これまではカフ圧計を用いて定期的に手動で調整を行っていましたが、近年では、常時設定圧に維持するように自動調整する自動カフ圧計(カフインフレータ)での管理が増えています。
最近のカフインフレータとしては、独自のカフ圧制御機構を装備し、人工呼吸器装着患者に対する低侵襲な気道クリアランスを可能にし、患者さんのQOL向上が期待されるTrachFlush(トラックフラッシュ)が海外で開発され、わが国では旭化成メディカルから販売・提供されています。

2.気道分泌物管理

気管吸引

気管チューブ留置中は、気道分泌物の自力排出が困難であり、気道閉塞、無気肺や肺炎のリスクが高まります。気道分泌物の貯留が確認できた場合、気道の開放性を維持するために吸引を行います。
気管吸引には、人工呼吸器を外し大気に気道を開放する「開放式気管吸引」と、人工呼吸器を装着したまま吸引する「閉鎖式気管吸引」の2種類あります。閉鎖式気管吸引は、吸引中も人工呼吸器によるサポートが行われるため、低酸素血症になりにくく、分泌物の飛散も少ないというメリットがあるため、閉鎖式気管吸引が推奨されています。

気道分泌物の確認方法

  • 胸部(気管分岐部付近)で副雑音や呼吸音の減弱が聴診される
  • 胸部の触診でガス移動に伴う振動がある
  • 気管チューブに分泌物が確認できる
  • 人工呼吸器のモニタで気道抵抗の増大や、フロー曲線にのこぎりのような波形(図4)がある

3.気道の加温加湿

上気道は吸入した空気を加温・加湿する役割がありますが、気管チューブが留置されていると、この機能が十分に果たせません。人工呼吸器から供給される酸素ガスは水分を含んでいないため、適切な加温加湿を行わなければ、分泌物が粘稠になり痰詰まりのリスクや、気道の乾燥による気道粘膜の損傷のリスクが高まります。加温・加湿の方法には、加温加湿器や人工鼻(HMEF: Heat and Moisture Exchanger Filter)などがあります。

4.口腔ケア

人工呼吸管理中は、唾液分泌の減少や口腔の自浄作用の低下から、人工呼吸器関連肺炎(VAP)のリスクが高くなります。したがって、人工呼吸器管理中の口腔ケアの主目的はVAPの予防です。しかし、口腔ケアのみではVAPを予防することはできません。カフ上部吸引、カフ圧管理、体位管理など多面的なアプローチが必要です。
口腔ケアは、歯ブラシでブラッシングする「ブラッシングケア」と、ブラッシングを除く「維持ケア」に分け、患者の口腔状態によって組み合わせて実施します。近年は、口腔ケアの物品がキット化された製品を使用する施設も増えています。

5.体位調整

肺の換気と血流は重力に影響を受け、体位によって下側となった肺は血流が多く、一方上側となった肺は換気が多くなります。これは、特に仰臥位で顕著です。また、長時間において同一体位を行った場合、下側となった肺は体重や臓器による圧迫で肺胞虚脱(無気肺)が起きやすくなり、低酸素血症を引き起こすリスクがあります。この状態が続くとガス交換効率が低下し、人工呼吸器による酸素投与の効果も十分に得られなくなります。これによって、気管分泌物の排出も悪くなり、気管分泌物のうっ滞→細菌増殖→人工呼吸器関連肺炎(VAP)のリスクが高まります。
したがって、体位調整により肺の異なる区域を順次拡張させ、分泌物の喀出を促し、肺のガス交換効率も改善する必要があります。
そのため、人工呼吸器装着患者の体位調整は、褥瘡予防だけでなく、重力を利用して分泌物を移動・排出をする体位ドレナージとしても行う必要があります。体位ドレナージは、分泌物が貯留している部位を中枢気道に対して上になるように体位を調整します。臥床患者では背側に分泌物が貯留しやすいため、完全側臥位や前傾側臥位(図5)が有効な場合が多いです。また、フラットな同一体位を続けると、胃内容物の逆流・誤嚥も起こりやすいため、ヘッドアップポジションも重要です。
尚、体位ドレナージは心不全や頭部疾患の場合は、特定の体位が禁忌になる場合があります。また、点滴ラインの外れや圧迫による皮膚障害などのトラブルが発生しないように注意が必要です。

まとめ

人工呼吸ケアにおける気道管理は、患者の生命維持・合併症予防・快適性といった多くの観点から、日々の観察・手技の積み重ねが求められます。エビデンスに基づいた正しい知識と技術、そしてチームでの連携によって、安全で質の高い人工呼吸管理を実践しましょう。

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