透析とは
透析は、腎臓に代わって人工的に体の血液を浄化する働きを代行する方法です。
透析には、体外循環により人工腎臓のフィルター(ダイアライザー)に血液を通して尿毒素を除去する血液透析(Hemodialysis, HD)と、患者さん自身の腹膜を通して尿毒素を除去する腹膜透析(Peritoneal Dialysis, PD)があります。ここでは血液透析(HD)について説明します。
血液透析(HD)の仕組み
HDでは、透析患者の血液を体外に取り出し、ダイアライザー(血液透析器)を介して体内に蓄積した老廃物の除去や、体液量の調節、電解質バランスの調節を行います。
腕の血管(バスキュラーアクセス/シャント)に針を刺し、ポンプを使って血液を体外に取り出し、ダイアライザーに循環させて尿毒素を除去した後、体に戻します。
血液透析濾過(HDF)とは
血液透析(HD)中に大量の濾過を行い、体液不足を適切な組成の置換液で補う治療です。小分子物質からHDでは除去し難い低分子量蛋白領域の物質まで幅広い溶質除去が可能で、HDF専用の血液透析濾過器(ヘモダイアフィルター)を使用します。置換液を入れる場所により前希釈法と後希釈法があり、透析低血圧を防ぐ目的で使用されることも多い治療です。